「天空の農園」アグロタケシ農園の秘密

「天空の農園」アグロタケシ農園の秘密

わたくし、丸山健太郎がコーヒーのバイヤーとして生産国に赴き、現地で体験したことや、コーヒーにまつわる経験を中心に皆さまにお伝えします!



「天空の農園」アグロタケシ農園の秘密


大変ご好評をいただいているボリビア、アグロタケシ農園のゲイシャですが、 その美味しさの秘密を分解、解読してみたいと思います。     まずは、このコーヒーから感じられる風味ですが、特徴として、やはり素晴らしいのはフローラルな香りですよね。ジャスミンのような芳香を感じる時もありますし、ちょっとした焙煎の加減でバラのような香りを感じる時もあります。

果実感で言えば、柑橘系、それも香り立つベルガモットみたいな感じがあります。 ベルガモットは香水やアロマセラピーなどに使われるイタリア原産の柑橘。紅茶のアールグレイはベルガモットを着香したものです。
ジャスミンもベルガモットも香水の香りとしてあるので、アグロタケシの風味を「香水のよう」と例える方が多いのも納得です。
そして、黒ブドウのようなどっしりとした果実感を感じることもあります。 

この3つの風味以外にも、焙煎や抽出の加減、焙煎からの日数によってパッションフルーツやマンゴーなどのトロピカルフルーツや、オレンジやアプリコットなどのさまざまなニュアンスを感じます。
また、アグロタケシには他のコーヒーではあまり感じられない、独特な口当たりがあります。
バターやクリームのようなコッテリとした感じよりは、上質のオリーブオイルのような、とても心地よい質感があります。
アグロタケシ農園のゲイシャを楽しむ際は、香り・味わい・口当たりそれぞれの要素を楽しんでみてください。 続いて、この美味しさはどこから来るのか、その秘密を分解してみましょう。 

 

アグロタケシ農園は天空の農園とも呼ばれ、他のコーヒー農園を比較すると、とても標高が高いエリアにあります。     通常、コーヒーの木は気温が0度近くなり、農園に霜が降りてしまうと大きなダメージを受けてしまうため、熱帯でも標高1900m~2000mが栽培限界です。
アグロタケシ農園は1700m~2600mに広がっており、正直、コーヒーの木にとっては「限界に挑戦」状態です。そのため、ヘクタールあたりの生産量も他農園と比べると60%程度と低くなってしまうのです。
また冷涼な気候のため、実が熟すのに通常より時間がかかります。
花から完熟の実になるまで、一般的には6~8か月かかると言われていますが、アグロタケシ農園では10~11か月の時間がかかります。        アグロタケシ農園では、稀有な環境で生まれたコーヒーを伝統的な生産処理方法のウォッシュト(水洗式)で精製しています。  

  ここ数年はコーヒー業界でもさまざまな生産処理方法が試されており、アナエロビック発酵(嫌気性発酵)やイースト(酵母)や麹などを使った方法なども広がってきています。
味わいとしてはスパイスやトロピカルフルーツなどの風味、また強い甘みを感じる仕上がりになり、人気も出てきています。
ただ発酵感が強く、紹興酒やカカオニブなどの香りもして苦手な人が多いのも事実です。
ゲイシャという品種の特徴は、きれいな柑橘系、ライチやジャスミンの風味が最大の特徴であり、それを最近流行の生産処理で仕上げると、ゲイシャ品種由来の香りよりも処理方法由来の味が優ってしまうような気がしています。
さらに、気候温暖化のため世界のコーヒーの風味はここ20年で落ちてきています。

何故なら、高品質コーヒーの品種は冷涼な気候を好むからです。

そういう意味でも、ボリビアの高地の冷涼な気候で栽培されるアグロタケシ農園のゲイシャは伝統的な生産処理方法で作られ、ピュアなゲイシャの風味を楽しめる稀有なコーヒーと言えるでしょう。
希少なコーヒーのため、直接取引が認められているのは世界で5社のみ、アジアでは丸山珈琲のみです。
次回は丸山珈琲とアグロタケシ農園がどのようにして、出会い、長年の取引へと繋がったかお話させていただきます。    

丸山珈琲

丸山 健太郎 KENTARO MARUYAMA

カップ・オブ・エクセレンス国際審査員 ACE(エース)(Alliance for Coffee Excellence Inc.)名誉理事 2004年にSCAE(ヨーロッパ スペシャルティコーヒー協会)若手起業家賞受賞 1991年に軽井沢にて丸山珈琲創業。2001年からは、バイヤーとして世界各地の生産地訪問を開始し、自ら厳選した豆を買い付ける。 また、数々のコーヒー豆品評会、審査会における、国際審査員(カッパー)として世界的にも活躍。

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